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第228話 「年末だから。」

近頃このコラムにはあまり書かなくなってしまったので、今年も終わるから一言くらいは書かないとなんて考えてみる。
今年もやっぱりあっという間で、記憶の整理さえ出来ていないけれど、今の僕は元気でここにいるから、何も問題ないようにも思う。今年はあまり何かを成し遂げたとか、達成したとか言うことが無かったように思うけれど、種をまいていたと思うととても納得がいく。気持ちのいい年末だ。
 *
やり残したことは来年やればいい。つまりは明日からはじめれば良いだけの話なのだ。蒔いた種たちもゆっくり芽を出して、僕はそれに水を遣りながら次の種を蒔くんだ。
 *
枯れる草もあるだろう。
咲かない花もあるだろう。
時には根腐れを起こしながら、
健気に強く立ち続ける木だって。
 *
僕はそれらをこの目でしかと見とどけるんだ。
僕が僕であるために。
しかと見守り続けるんだ。

購入CD
SUM41 "DOES THIS LOOK INFECTED"
BEAT CRUSADERS "SEXCITE!"
CRAZYTOWN "DARKHORSE"
ASPARAGUS "Tiger style"
DONOTS "Amplify The Good Times"

第227話 「真夜中に三脚かついでプラプラしてたらおまわりさんに何してんの?と。」

写真がどーこいうより、まずその写真家の生き方が重要だな。
写真は人生を反映する。ぷぷぷ
面白くない奴が撮った写真は、所詮ツマンナイ。

 *
某所より引用。僕は、僕の人生は。僕の生き方はどうだろう。
そもそも面白い人生とはなんだ?人とは違う生き方か?人と違うとはなんだ?僕の人生はエンターテイメントだったっけか?
全くもって意味がわからない。なんでこんなに写真が気になるのか。全くもって謎だ。一体何をしたいのだろう。何を撮りたいのだろう。何を表現したいのだろう。
 *
おまわりさんは案外愛想良く「風邪引かないでね」なんて言ってくれた。
僕はたぶんその時鼻水が垂れていたに違いない。
一枚撮らせてください。とはさすがに言えなかった。もし言ってたら撮らせてくれたのだろうか。
 *
始めてたどり着いた公園。イチョウの木が見事なまでに天井を黄色く染めている。僕はベンチに腰掛け、しばし黄色い天井を眺める。
あいかわらず何かが燻っているこの感覚に、苛立ちを感じることもなく、焦りさえどこかへ置いてきてしまった。イチョウの木は立派だった。僕はちっぽけだ。
 *
人生は面白いほうがイイに決まっている。けれどそこから先が問題だ。何をもって面白いとするか。僕にとっての「面白い」とは何か。まずは「面白い」探しをはじめることにする。


第226話 「お酒の話」

そろそろ本日の活動時間が30時間に差し掛かろうとしている。仕事も山を越え、心なしか余裕がある所為だろうか、気持ち良く酔っている。
 *
109,111話でも出てきているGlenfiddichというシングルモルト。僕はそういう理由でこの父から貰ったGlenfiddichというモルトが妙に気に入っている。
 *
酒好きの変な友人に連れられ、所謂穴場中の穴場。新宿にこんな店が!?というような、カウンター6席という非常にマニアックなバーにたどり着き、馬鹿の一つ覚えでGlenfiddichを頼む。
あの頃を思いながら嘗めるGlenfiddichはなんだか切なくて、でも今だって何も変わってないんだ。ってそんなことをしみじみ感じながら気持ち良く酔わせてもらった。
 *
それからマスターにフィディックつながりでBalvenieを勧められる。しかもポートウッドの21年というレアなものらしい。そんなこと僕は良くわらからいけれど、チョコレートのような甘い香りがとても心地よくてなんだか凄く切ない。
 *
結局、僕はあれから何が変わっただろうか。恐らく何も変わってやしない。
それに気づくことはもはや僕にとってどうでも良いことで、ただ、今はこの無重力の世界からどうやって帰還するかと、歯磨きのタイミングだけが唯一差し迫った問題なだけだ。ベッドに還れば全てが終わる。
一瞬にして次の朝がやってくるのだ。


第225話 「天才と呼ばれた男の言葉」

どうもここに書く気がしないな。書くヒマがあるのなら描け。撮れ。といいたいところだが、少し疲れてしまった。生活のペース配分をもう少し考えないといけないと思っている。
 *
とあるカリスマ的に有名な人の話を聞いてきた。原宿
洋楽のリクエストできるDJのいる飲み屋に行った。池袋
カメラをメンテに出した。新宿
新婦のドレスに見とれた。池袋
何を思ったか高いところから街を撮りたくなって展望台に登った。シャンシャイン60
 *
彼の話をああやって聞く限りでは、もの凄く単純で簡単そうに思えるのだけれど、その裏には並外れた努力や苦労、苦悩があったのだろうと想像した。でなければ僕が報われないし、僕が納得行かない。(僕が並外れた努力や苦労をしているとは思えないのだけれど)
それでも彼は、「匂いがする」とか「細胞が沸き立つ」とか、「偶然を呼び寄せる」などという表現をしていて、それが果たして凡人の僕にも可能なのか、話を聞きながらその感覚の正体についてばかり考えていた。
そうやって突き詰めていくと必ず行き着く本質があって、答えの出ないその意味について、僕はいつも漠然と思いを巡らせるわけだが、頭の上でモヤモヤと曇っているだけで、何かしらの明確なものは何一つとして、その断片さえも見えやしない。
そして彼は「経験、積み重ね」だと言い、僕はやっぱりコツコツとやるしかないのだと知る。
コツコツとやっても報われない人は沢山いる。というか、報われない人のほうが多いのかもしれない。けれど積み重ねないことには何も始まらないのだ。自分を信じて続けるしかないのだ。
こと器用貧乏な僕は既に積み重ねもおぼつかないのかもしれないけれど、僕は僕で何でもかんでも全部積み重ねてしまうことにする。意味わかんないけど。
 *
GW12月号(11月8日発売)でメタセコの記事書いてます。内容はWinGraphicの連載の焼き直しのようなものなので初心者向けです。本当に時間が無くて新作は用意できなかったけれど、顔は新しくなってます。今回はちょっと大きめにカラーで絵が入るので、良かったら立ち見してみてください。望月さんやふにゃさんの記事はとても参考になると思いますよ。

購入CD
ACIDMAN "創"
FOO FIGHTERS "ONE BY ONE"

第224話 「多忙につき。」

忙しいようだ。
この4日間で家に居られた時間を思い出してみたら15分だった。あとはずっと事務所暮らしである。
色々不満も鬱憤もあるけれど、ここには書けないなって思った。読んで欲しい人と読んで欲しくない人がいて、そんなことはどうでもいい。
 *
ふっと息を抜くと、これが僕にとって有益なことなのかどうかとすぐ考えてしまう。どうしても近道を探そうとしてしまうから、そんなときはとりあえずマウスを握る。もしくは寝る。これがいい。
 *
と、ここまで書いて保存してから1週間。あっという間に過ぎた。
 *
今週も悲しい出来事があった。毎週何かしらあるわけで、そういう出来事を思い返さないと時間の流れが速すぎてすべて忘れてしまいそうだ。
 *
徹夜明けでヘロヘロだから少し帰って寝ようか。というタイミングでその話はやってきた。
それはもう声も出ないほどあきれた内容で、僕はこんなことあってはならないと激しく憤慨した。それでも下請けの宿命とばかりに、少しでも稼ぎが増えるならと引き受けた。
 *
結局僕は時間売りなのだ。
あれがあの金額で作られて、それを何も知らないクライアントは押し付けられて、果たして幸せなのか?
 *
僕は絶対にあんなの認めない。
けれど僕には力が無かった。引き受けるしかないだろう?
力が欲しいと思った。
そんなものを一蹴して生きていける力が欲しい。
 *
身分相応なのかもしれない。こうやって生きている僕にはまさしく身分相応なのかもしれない。理想を掲げて生きられるほどの力が無いのだから。僕が何を言ったって何も変わらない。
奇麗事が通用するほど世の中甘くないし、僕は自分を買いかぶり過ぎているのもわかっている。だからこそ、それがわかっているからこそ、悲しい。
 *
大丈夫。でもあきらめてはいない。

第223話 「僕は誰かに会いに行く。このカメラを持って。」

志の低い制作も何も決まっていない制作もしたくはない。けれど見てくれだけに拘っているような場合は案外気楽なのかもしれない。見てくれだけ良ければイイのだから。好き勝手にやって、後で辛抱強く直してゆけば良い。どちらにしたって満足しないんだから。それでもやることはやらないと。CG屋さんなんだもの。
 *
最近自分の写真がいかにダメかがだんだんわかるようになってきた気がする。少しだけ。
とにかく写真から学べる事は多い。目の前に広がる場景を決められた四角の中に収める。切り取り方如何で出来上がる画は全く違ってくる。今はまだ遊び半分で撮っているけれど、それでも少しずつ上手になりたいという気になってきた。
 *
僕は自転車に乗っていた。
お尻のポケットにはやっぱりいつものカメラが入っていて、ペダルを踏むたびにその四角い感触が存在をアピールしてくる。もっと撮れ!と言っている。
僕は誰かに気持ちを伝えに行く。誰だかわからないけれど、僕は自転車で大阪まで告白をしに行くのだ。
途中で見た広大な田園風景や長いトンネルはみんな写真に収めた。
疲れて休んでいると携帯が鳴る。どうやら僕はその電話の主に会いに行くようだ。会って「好きだ」と伝えるらしい。
再び自転車にまたがる。あとどれくらいかかるのだろう。今度は誰とすれ違うのだろう。
そう考えていたら目が覚めた。楽しい夢だった。結局、相手の女性は誰だかわからなかった。
 *
OasisのLittle By LittleとRed Hot Chili PeppersのBy The Wayがヘビーローテーション中である。頭の中でずっとこれが鳴っている。どちらも口ずさんでいると少しだけ元気が出てくる感じだ。
 *
新しいカメラが欲しくなった。けれどこれほどまでに高価な品物を買える勇気はまだない。結局こういうのが欲しくなってしまうのだと初めから薄々気付いていたが、一年経ってやはりそうなってしまった。
今のカメラでも十分な気がする。けれどそれを手にする事でまたさらに自分の欠点に気付ける気がする。道具を変えたからってすぐに良い物ができるとは思えないが、それでしか手に入れられない世界に飛び込みたいのだ。
あとはお金を払う勇気さえあればいいのだが・・・。

<購入CD>
Oasis "Heathen Chemistry"
Red Hot Chili Peppers "By The Way "
Music "Music"

第222話 「Rush Of Blood To The Head」

久しぶりに電話が鳴った。
自宅の電話は取った試しがない。
 *
Coldplay の Rush Of Blood To The Head 静寂の世界 を買った。
M2の In My Place が聞きたくてそれだけで買った。アルバムタイトル通り静かに流れる。とても静かに、そして切なく、それでいて内に秘めた力強さみたいなものが伝わってくる。心静かに。今聞くには丁度良いアルバムだ。
 *
間違い電話か勧誘か。そんなのばかりで、本当に僕宛に掛かってきた電話など一度も無かった。だからずっと取らずにいたら、本当に掛かってこなくなった。最近では電話機がそこにあることさえ忘れてしまっていた。
朦朧とする意識の中、電話の鳴る音がする。
僕は眠りから覚めることを拒否するように、その電話を拒絶するように、寝返りをうち、丸くなった。
 *
電話は苦手だと前に書いたかもしれない。
話をするのは大好きなのだ。でもだめなのだ。最初の一瞬がだめなのだ。
電話、特に携帯のもつあのダイレクトさ。他人の生活に無理矢理入り込んで動きを止めてしまうあの力。眠っていたって関係ない。真夜中だって早朝だってお構いなしで。
 *
今度は携帯が鳴った。
知らぬ間にいくつかの着信があったらしい。
知らない番号のこれは恐らく高校の同級生だとのたまう誰かだ。
そのまま寝てしまおうと思ったらクライアントから留守電が入っていた。目が覚める。
携帯の力。本当に便利なんだと思う。素晴らしいことなんだと思う。けれど僕には少しだけ荷が重い。
 *
寂しくて誰かの声を聞きたいくせに。笑わせやがる。

購入CD:
Coldplay "Rush Of Blood To The Head 静寂の世界"

第221話 「3939600秒の空白」

記憶がない。
 *
ファイルのタイムスタンプを見て我が眼を疑った。
2002/07/17 3:37。
久しぶりさえ通り越して呆れてしまった。
それから一ヶ月以上、本当にあっという間で記憶がない。
僕はそのことを本当に後悔している。殆ど記憶がないのだ。
一体何をしていたのだろうか。一体何が出来たのだろうか。
 *
満足してもらいたい。よりクオリティの高いものを出して喜んでお金を払ってもらいたい。
そのために長い時間をかけてがんばってみても、その匙加減を間違えると一瞬で全てが無になる時がある。取り繕うように一瞬で用意された代用品が全てを丸く収める。僕はそんな切ない仕事をしているのだと思った。
無駄に努力をして周りに迷惑をかけて。僕は効率の悪い人間だ。
 *
目が覚めて浴びるシャワーのあの倦怠感。
あれだけはよく覚えている。憂鬱で仕方がない。何もしたくない。このままもう一度眠りたい。
 *
記憶がない。
本当に記憶がないのだ。
219話で何があったのかも本当に思い出せない。
記憶に残らないと言う事は必要のない情報と言う事だろうか。
だとしたら、これまでの僕の時間は必要の無い時間だったと言う事なのだろうか。
それとも単に記憶力が減退しているだけなのだろうか。
 *
夜が明けた。
また一日が始まる。
まずは生きている事に感謝したい。


第220話 「気軽に」

ここに気軽に何かを書く事が出来ないのは何故だろうと考えた。
一回毎に第○話としてコラム形式を意識したばかりに、書こうとすると気負ってしまい、気楽に書けないのが原因であることがわかった。
原因がわかったのならあとは簡単だ。意識して気楽に書けばよい。
 *
Macromedia Fireworks MXを試している。僕にとってFireworksは無くてはならないツールの一つであるから、今回のバージョンアップも非常に楽しみにしていた。
巷で騒がれている今回のMacromediaの方針については僕にとってはどうでも良かった。というか、アップグレード料金に見合う機能の実装や魅力的な点があるのであればアップグレードする。それだけだ。
 *
相変わらず自由変形による拡大・縮小が中心点を基準に行われない。どうしても左上が基点になる。
僕はMacromediaを激しく罵った。一番欲しかったものを外された。裏切られた気分だった。
まだロクに触っていないので、もしかしたら何か別の方法があるのかもしれないが、僕としてはQキーを押し、Alt+ドラッグで中心に向かって拡大・縮小しなければ困るのだ。こんな基本的なこと、何故にできない?
均等配置も頭が悪い。マスクオブジェクトのボリュームも加味しているような気がする。意味がわからない。しかもこれ、整列パレットを使わず、メニューの整列から行うと正しい動きをする。これはバグか?仕様か?使い方を間違っているのか?
 *
様々な理由から今回のMXシリーズへのアップグレードについては、FLASH以外は見送り・・・となってしまうかもしれない。僕にとって道具のアップグレードは己を鼓舞する貴重なタイミングでもあり、非常に重要なことだ。けれど今回はそれができないかもしれない。非常に残念である。
 *
何となく運気が、気運が、低迷していた気がする。多分今が一番底なんだという直感があった。
谷底から這い上がるのはとても大変な事だ。落ちるのは痛いけど簡単。上がるのは辛くて大変。でも上がってる方がイイ。


第219話 「今日の出来事」

今日はもの凄くサラッと辛い出来事が集中した。最近頭がやや朦朧としているので、事態の重大さについてそれほど危機感を感じることなく、淡々と捌いて行った。しかし、考えれば考えるほどよろしくない状態である。朦朧としているのが唯一の救いだとしたならば、こんなに皮肉なことは無い。
 *
駅のホームで女の手を振り解き、電車に乗り込む男がいた。
女は悲しそうな目でその電車を、彼の背中を見送っていた。
電車が見えなくなると強張った顔と今にも泣き出しそうな顔とを無理矢理押さえつけながらホームを歩く。
僕はストーカーよろしく彼女の様子を伺う。その後ろにあるストーリーに思いを馳せながら。
 *
外は暑いが僕は篭りっきりなので寒いくらいである。
だが自宅ではエアコンは使わないことにしている。大汗をかいて寝るくらいのほうが趣がある。それが夏というものだ。
 *
それにしても頭が朦朧とする。
今日は朝食も昼食も中途半端なものだった。夕食は摂っていない。
よろしくない。非常によろしくない状況だ。夜明けも近い。
どうするべきか?考えろ。死ぬほど考えろ。


第218話 「近況報告」

最近すっかりここの更新もオザナリになってしまっている。書きたいことは数あれど、それをここに持って来るまでの気合が足りない。ここよりピクテクの優先順位のほうが高いらしい。もはやあれは僕を脅迫しているかのような”シバリ”である。更新しないと、続けないと。そう思うくらいでないと続かない。
 *
もう一週間以上前の話になるが、ライブを見に行ってきた。SCRIPT、ハックルベリーフィン、カレイドスコープという僕の好みにかなりハマった組み合わせ。これならお金を払ってでも行きたいくらいだ。
 *
覚えているだろうか、ミリオンセールスとなった”ESCAPE”という曲を生み出したバンド、”MoonChild”を。
2年半の間に3枚のアルバムを発表し'99年春に解散したバンドだ。彼らの代表作ESCAPEは、007ばりのクールな雰囲気を持ち、マニアックかつメロディアスなナンバーだ。当時の僕はすっかりそれに魅了されていた気がする。
そんなESCAPEを髣髴とさせる曲に出会ったのは確か3月頃だ。
"Inspiration" ・・・初めてビデオクリップを見たときに確信した。彼らが戻ってきたと。正確には当時のVo.とBass.により結成されたバンドだった。それがSCRIPT。
 *
そして今、そんな彼らのライブを見ている。けれどなぜだろう、妙な違和感。音のせいか?ヴォーカルのせいか?カッコよくないのだ。残念ながら僕の中では他の2バンドに明らかに負けていた。
あのビデオクリップを見たときの衝撃、感動はどこへいったのだろうか。
それにしてもVo.の佐々木収は絶対、岡村靖幸の影響を受けていると思う。曲のあちこちにそんなテイストが感じられた。そういう意味でも僕は彼らを好きにならずにはいられないのだが、このライブは・・・。どうしたものか。
 *
DriveThru Recordsが熱い。
近頃聞きまくっている3枚のCDのうち2枚はDriveThru Records所属だ。そんなこととはつゆ知らず、聞き込むようになってから気付いた。他もバンドもハズレが無いと噂のDriveThru Records。ヤバイです。

最近購入の(って結構経ってるけど)CD
NEW FOUND GLORY "Sticks and Stones"
GOLDFINGER "OPEN YOUR EYES"
simple plan "NO PADS, NO HELMETS... JUST BALLS"


第217話 「未来予測」

電話って突然切れるのね。

そう言われてハッとした。妙な事を言う。
 *
彼女はもの凄くパソコン音痴な女性だ。この前は「マウスでドラッグ」が分らないと本気で言っていた。
そんな彼女のパソコンが壊れた。OSが起動しないらしい。マニュアルは?と聞くと「全部捨てた」と言う。豪快だ。それでも素晴らしいと思うのは、自分でパソコンを使おうという気があるという事。僕は同じくらいの年齢の人で、「私パソコンわかりません」としか言わず触ろうともしない人を知っている。それに比べたらなんて素敵な事だろう。
 *
彼女のパワーは半端じゃない。
上手く言えないがスピリチュアルなものが違う感じ。何が彼女を突き動かしているのか分らないが、もの凄い勢いで何かに向かって突っ走っている気がする。だから僕もそれにつられて、悪態をつきつつもパソコンのサポートを引き受けてしまう。
 *
朝、電話が鳴った。
7時頃だろうか。
僕はもちろん眠っていて、というかベッドに入って小一時間というところで起こされて大層機嫌が悪く、無愛想に応対していたら、それに呼応するように通話が途切れる。
「今移動中だから切れちゃうのね、きっと。」
そう言っているが回線状態が悪いのは実はこちらで、僕の部屋はとても電波が弱いのだ。誰から掛かってきても必ずと言って良いほど切れる。
 *
電話を終えるとなんだか目が冴えてしまい、再びベッドに戻る気がしないので、とりあえずシャワーを浴びてみる。
僕はただずっとシャワーを浴びているのが好きだ。本当はお湯に浸かりたいのだが、ユニットで湯を張る気にはなれない。一回やってみたが落ち着かなかった。
手の届くところに、目の高さのところに便器。どうもこれがいただけないらしい。昔、デュシャンは便器を泉と称して展覧会に出して断られたらしいが、僕にとってもこの便器は泉ではないようだ。
 *
シャワーが程よく体を暖め、浴室が白く煙る頃、僕はさっきの会話を思い出していた。
「今移動中だから」
多分車を運転していたのだろう。彼女はそういう人だ。良く言えば一分一秒も無駄にしない、悪く言えば極端にせっかち。そんな感じだ。
警察に捕まっても知らんぞ。なんて思っていたら目の前に浮かぶ映像。
電話に気をとられて追突。電話機は吹っ飛び、僕の声が車内に鳴り響く。
・・・。
縁起でもない。でも妙にリアルで怖い。
 *
後日、彼女が追突事故を起こしたと聞く。居眠り運転。相当疲れていたらしい。幸いにして事故は本当に小さなもので、人も車も大丈夫だったらしいが、それにしても妙にリアルで怖い。
これはただの偶然で、僕は何も関係ないし彼女は疲れていただけなんだと思う。けれどもし僕があの時彼女に一言注意を促すことができたら、未来は変わっていたのだろうか。
 *
未来予測なんて出来なくてもいい。今ある現実をありのままに受け止める。
だからもっと自由に。だからもっとセンシティブに。
僕は今、今まさにこの瞬間、呆れるほどのスピードで腐りつづけている。


第216話 「スネ毛」

CAPTAIN HEDGE HOGが解散するらしい。
 *
良く行くパスタ屋で盗み聞き。若者達がこれからのビジョンについて語り合っている。
要約すると、「一発当てる→あとは何とか食っていけるだろう」ということだった。
何だか志が低いんだか、現実的なんだか、夢見がちなんだか。
 *
久しぶりにライブを見に行くことが出来た。渋谷クアトロ。
最近全然行く事が出来なくてなんだか行く事自体メンドクサくなっていたのだけれど、がんばって行って見たらやっぱりメンドクサかった。・・・というのは行き帰りのセンター街と渋谷駅前のことなんだけど。
カメラマンズ、惑星、スネオヘアー。
スネオヘアー、名前は笑っちゃうけど、凄く良かった。他の二つは残念ながら僕には響かず、一番後ろで座って落書して過ごしたのだけれど、彼が歌い始めてからは自然と前の方に体が動いていた。
 *
ワールドカップ、日本が戦っているときに、僕は駅前をブラブラしていた。人がいない。
変な奴に手相の勉強をしているんですが・・・と話し掛けられる。最近多い。統○教会の勧誘だと誰かが言ってたけど、とりあえずおっかないからさようなら。
コンビニで雑誌をパラパラ見ていたら、
己葉って人のグラビアがあってその最後にCD発売って書いてあった。僕は瞬間、「そうか、おっぱいが大きいとCDデビューできるのか」と考えたのだが、その考えがあまりに短絡的だったので、誰もいない店内で一人笑った。
 *
CDを借りに行ったら目的のCD(Orange Pekoe"Organic Plastic Music")が無くて、とりあえずグーグードールズとミスチルとFoo Fightersを持ってカウンターに行った。カウンターは3つあって、そのうち2つが空いていた。左のお姉さんは暇そうにしてて、右のお姉さんは一生懸命何か作業をしている。僕は暇そうな左のカウンターにCDを持っていこうとしたのだけれど、なんだかフラついて、右のお姉さんにCDを出していた。
するとどういうことか、借りたかったCDをお姉さんが手にしているではないか。僕は思わず。「それも!」と指差した。
グーグードールズ、カッコいいです。
 *
まだまだダルイ。


第215話 「ケチ」

本日のメニュー
・同じCDを2枚借りそうになり焦る。
・大家に怒られる。
・家賃滞納。
・ATMが言う事をきかない。
 *
今日も今日とてレンタルCD。毎週きっちり借りに行く。
フロアを3周もすれば、5枚くらいCDが手に吸い付いてくる。いや、自分で選んでいるのだが。
1周目に手にしたモノをすっかり忘れて3周目にも手にし、気づかずそのままカウンターへ。哀れ僕は赤面することになる。
 *
週末に「やってらんねーよ」なんちって音楽を大きめにかけて過ごす。
大家から警告。哀れ僕は赤面をすることになる。
 *
知ってました?もう六月ですよ!
家賃滞納。
あぶない、危ない。ただでさえ要注意人物なんだから。
銀行はいつ行っても人が多いし、振込みはメンドクサイし、大体口座に入っている額なんて鼻水ほどだ。
哀れ僕はひもじさに身震いすることになる。
 *
決死の覚悟、10万ゼニーを別の口座へ移す。
けれどどうしても、何度チャレンジしても、3万ゼニーが吸い込まれない。
ATM
現金自動受払機(げんきんじどううけばらいき)のことで、銀行(ぎんこう)の窓口(まどぐち)に行(い)かなくてもお金(かね)を出(だ)し入(い)れしたり、ほかの人(ひと)の口座(こうざ)に振り込(ふこ)んだりすることができます。
・・・。僕にはできませんでした。3万ゼニー。
なんだか落ちこぼれ見たいな彼らがいとおしくなり、大切に財布にしまいこむ。
大丈夫。そう簡単には手放さないよ。僕はケチだから。

<購入CD>
MIDTOWN "Living Well Is The Best Revenge"