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第229話 「洗濯日和の曇り空」

もう2月だったりする。
 *
年明け早々風邪をひいてしまい、久しぶりに寝たきり生活を楽しんだ。
昔から周りでどんなに風邪が流行っていても、学級閉鎖に陥ろうとも風邪をひかずに皆勤賞を受賞していた僕が風邪をひいてしまったのにはちゃんとした訳があり、僕はその日、エアコンで暖まりすぎた自室において、見事なまでに布団の上にて熟睡してしまったのである。既にエアコンは消されていたためみるみるうちに室温は低下。目が覚めたときには、僕は完全に冷えきってしまっていたのである。
誰かにうつされたとか、外に何時間も立たされてたとかならまだ相手に怒りをぶつけることもできるが、この場合、僕は完全に僕の意志故にこの結果を招いてしまったのである。
目が覚めた時、僕は朦朧とする意識の中で、莫大な負のエネルギーを蓄積させるがごとく、後悔の念に塗れた。
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近頃の僕はそんな病み上がりのせいもあってだろうか。かなりのんびり生きている。仕事もそこそこ。何か新しいことを始めることも無く、なんとなく過ごしている。
なんとなく過ごしていると、他所では懸命に働いている人がいることに気づく。いつもお仕事をいただいている会社の人たちは全員出勤している。僕の父までも休日返上で朝から晩まで働いている。僕がぶらぶらと新宿あたりをフラついている間にも世の中は動いていて、僕は取り残されているんだか、浮かんでいるんだかしている。
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街中で歩きながら人を撮る時と、モノなんかを撮るときには撮り方が違って、セッティングもちょっとだけ違ったりするのだが、一旦どっちかで撮りはじめるとそれに偏ってしまって、ずっとそれを続けてしまう癖がある。
癖というよりも寧ろセッティングを変えたりすることがメンドクサイというのが本音だ。カメラを構えるのもメンドクサイ時なんかはもう何も撮らない。以前のような「枚数取らないと」的な気負いは失せてしまった。飽きてきたのかなと少し怖くなることもあるが、それでもたまには撮りたくなることもあるし、そんな場面に出会える瞬間を探していつだってカメラを持って行動している。
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人生が一時的にスローペースになっている様子が少し滑稽でなんだか少し物足りないが、これはこれで悪くないということに気付いた。とにかく外は寒くて、この季節の洗濯はとても鬱陶しい。

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t.A.T.u. "200 Km/H IN THE WRONG LANE"