夜はめんどくさい。
三脚が無いとまともに撮れないし、フラッシュ使うと散々な目にあう。
そう思っていた。
けれどもカメラをしっかり構え、呼吸を整え、フッと息を止める。
全神経を目の前の被写体に集中させたら、最小限の動きでシャッターを切る。
これで1/一桁台でも何とかなるようになった。

僕のカメラはいつだって優等生で、言われたとおりに動く。
露出だって絞りだって間違えたことはないし、
時には1/1000秒のそれを巧みに切り抜く。

間違っているのは僕の指示だけで、僕の扱い次第なのだ。
道具なのだ。これは優れた道具なのだ。